「『いってきまーす。』」
「リョーマさん、さん、いってらっしゃい。」
菜々子さんに見送られ、俺たちは学校へと向かった。
今日は12月24日。
クリスマスイヴだ。
そして、俺達の・・・。
・・・本当は今日の部活は休みのはずだった。
しかし、今日は引退した手塚部長や不二先輩達3年生が部活に顔を出すらしい。
そのついでにクリスマスパーティをするのだという。
顔を出すついでにクリスマスパーティーなのか、クリスマスパーティーのついでに部活に来るのか怪しいところだ。
『ねぇ、リョーマ。先輩達と練習するの久しぶりだねぇ。』
「うん、まぁね。でも、あの人達テニスバカだからしょっちゅう来てたじゃんι」
俺は先輩達の顔を一人ずつ思い出しながら、の言葉にちょっと呆れ気味に答えた。
『クスクスww』
そんな俺の答えには軽く笑って返した。
「ちょっと?何がおかしいのさ?」
『クスクスwだって、リョーマ、何だかんだ言ってうれしそうなんだもんww」
はなおも笑いながら俺を見ていた。
「別にっ!///」
俺はぷいっとそっぽを向くことで本当のことを言われて恥ずかしいのを隠そうとした。
『クスクスwリョーマってば素直じゃないんだからw』
「、うるさい・・・//」
は俺の双子の妹。
髪の質とか目の色なんかは二人とも本当にそっくりだ。
もちろんテニスも女子部では、ずば抜けている。
でも、顔も全体的には似てはいてるが、双子でもやっぱり違うらしい。
先輩達に言わせれば、俺は猫系、は犬系だそうだ。
実際、は人見知りはするが、慣れてしまえば人懐っこい。
だからこそいろんな人に好かれるのだろう。
俺には・・・がいろんな人に好かれるのがあまりいい気分ではなかった。
最も、嫌われていじめにあったりするというのも困るけど・・・。
『ぁ、そだ!リョーマ、今年も“アレ”するよね?vv』
「ん?あぁ、もちろん。毎年恒例じゃん。何を今更。」
『そかwよかったぁvv今年は嫌だって言われたらどうしようかと思ったよι』
「クスッw何言ってんのさ。何でそんなこと言わなきゃいけないんだよ?」
『ん〜?何となくww』
「意味わかんないよ。」
『ふふふwもぅ気にしないでw』
「おーい!越前'sじゃねぇかぁ!!」
俺達が“アレ”について話している時に“あの人”が声をかけてきた。
『ぁ、桃ちゃん先輩!おはようございます!!ぁ・・・部長ι』
は思わず手で口を塞いで申し訳なさそうに言う。
「いいっていいってww桃ちゃんでいいぜ。」
「桃先輩、おはようっス・・・。」
「おぉ、おはようさんwってか、お前は絶対に俺のこと先輩だって思ってねぇだろ?ι」
「え?誰が先輩なんスか?(ニヤリ)」
「てめぇ〜!!!」
桃先輩が俺を捕まえようと必死になる。
しかし、瞬発力は俺の方が上らしく、俺はするりと桃先輩の腕の間をすり抜けた。
『あらら・・・ι』
は遠くから、またか、という感じで俺達を見ていた。
「おやぁ?そこに見えるはちゃんじゃないかにゃぁ??」
「おはよう、越前。」
『あ!菊丸先輩、大石先輩。おはようございます。』
そこへ現れたのは菊丸先輩と大石先輩のゴールデンペアだった。
「お誕生日おめっとぉ♪って・・・にゃんだぁ?アイツら全然成長してないじゃんかぁ〜」
『ありがとうございますvあぁ、あれですか?アハハ・・・ι』
俺と桃先輩の姿を見てそういう菊丸先輩には苦笑するだけだった。
「こら!お前達!!こんな道の真ん中で・・・ιいい加減に止めないか!!」
流石は青学の母、大石先輩。
俺らを止めに入っってきた。
「だって、大石先輩、コイツってば・・・」
「わかった、わかったιとりあえずこんな道の真ん中で暴れるのは止さないか・・・ιご近所迷惑だι」
「大石先輩がそう言うなら仕方ないっス。」
「てんめ・・・越前!!」
俺は懲りずに桃先輩をイジっていた。
「あっ!こら!言ってるそばから・・・ι」
「あいつらも相変わらずだねぇ、ちゃん。」
『ふふっwでも、変わらないっていうのもいいですよ。菊丸先輩。』
は何やら意味ありげに菊丸先輩に返していた。
「??」
菊丸先輩は最初こそ訳が分からないという顔をしていたが、ギャーギャー騒いでいる俺達を眺めて、
「・・・。ふむ、そうかもにゃw」
と言う。
『はいw』
そんな菊丸先輩に満面の笑みで答える。
「あ!菊丸先輩!何話してるんスか!?」
の笑顔が他人に向けられているのがおもしろくなくて、俺は思わず大声を出してしまった。
「ほーんと、オチビも相変わらずちゃん大好きだなぁwwよっし、俺も混ざってこようっと!」
『? 菊丸先輩、何か言いました?』
「何でもにゃいにゃい♪」
『そうですか?って・・・、もぅいないしι』
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